アートギャラリーATARAYOにようこそ

可惜夜の作品は、いずれも「哲学」をベースとしています。哲学に馴染みのない方にも、本などで知ってはいるもののどう向き合っていいのかイマイチわからない方にも、誰かから学んだのちに今度は自分が先生として哲学を教える仕事をしている方にも、気楽にお楽しみいただける《フィロソフィカルアートワーク》をお届けします。

◆各作品をご覧いただく前に・・・

哲学的に作品と作者の関係を捉えると、作品が吐き出された時点で「死んでいるはず」の存在である作者の呟きに、ほんの少しだけお付き合いください。

  

◆「哲学」のもつイメージは、裏切らない

「難しそう」「実生活には役に立たなそう」「退屈そう」「古臭そう」「何が得られるのかわからない」・・・。こうした、よくある「哲学」のもつイメージ、あなたも少なからず抱いたことがあるかもしれません。それでも、「『哲学』って最近よく耳にするし・・流行ってるのならかじっておきたい」「知ってたらカッコつけられそうだし」「新しい気づきが得られるなら」「成長したい!成功したい!自分を変えたい!そのために使えるなら!」「なんとなく知りたい」「どんなものか覗いてみたい」・・・そんな様々な思いから、哲学を学べるコンテンツを求めて、人によっては「密林」を探検してわかりやすい本を探し、人によっては「あなたのブラウン管」を漁りとっつきやすい動画をチェックし、紆余曲折を経て、今、この場所に辿り着いたことと思います。

  

しかしながら、結論から言って「哲学」というのは、学べば学ぶほど、「最初に抱いていたイメージは正しかった」と実感していくもの・・・つまり、何も知らない中で、漠然と思い描いていたそのイメージを、全くと言っていいほど裏切らないものです。伝える側がどんなに噛み砕こうが、言葉を尽くそうが、見せ方を工夫しようが、そんなものはなんの効果ももたらしません。

眼前には、相変わらず、「難しそう」で、「実生活には役に立たなそう」で、「退屈そう」で、「古臭そう」な、「何が得られるのかわからない」哲学の世界が広がっています。

  

よって、これから可惜夜のアートワークを見て、あなたの中で何も変わった感じがしなくても、それはあなたのせいではなく、哲学がそういうものだからです。

これは「安心してください」という話ではなく。逆に言えば、哲学がそういうものである以上、あなたには、「難しそう」で「実生活には役に立たなそう」で、「退屈そう」で、「古臭そう」で、「何が得られるのかわからない」ものと、向き合う覚悟が求められるということです。

  

つまり、多くの「学び」や「勉強」から得られると思われがちの数々の感情・・・理解、納得、報われる、努力が実る、見返りがある、腹落ちする、達成感、充足感、満足感といったものとは無縁の、空(くう)を掴むような思考作業を終わりなく続ける。果てのない道を孤独にただ突き進む。その覚悟です。

だからこそ、「哲学」を学び続けられる人は、それだけで、他の人とは、一味も二味も違う人間になっていくのです。一癖も二癖もある・・と言ってもいいかもしれませんが。いずれにせよそれは、他では得難い、唯一無二の魅力となっていきます。

  

◆とはいえ、門戸は開かれている

誰であろうと、哲学を学ぶ第一歩を踏み出すことは可能です。そして、その中から、また一人、また一人と、より深く、延々と続く哲学の道・・いや、哲学の「沼」に堕ちていく人が出てくる。可惜夜のアートワークは、いわば、その一歩目から沼までの導線といえるでしょう。

ここ、アートギャラリーATARAYOでは、可惜夜のアートワークの中でも、ライトで、哲学初心者の方でも世界観に入り込みやすい内容の動画をご覧いただけます。

  

◆「思ったよりも」の繰り返し

前置きが随分と長くなりました。最後にこれだけお伝えして、あとは存分にアートワークをご堪能ください。

これからご覧いただく動画から、あなたは恐らく「哲学って思っていたよりも○○だね」という印象を持たれることでしょう。大事なのは、○○に入る言葉ではなく、その前の「思っていたよりも」の部分です。この「思っていたよりも」は、良くも悪くも、知る前に思っていた何かが揺らいだことを示しています。信じてきたものが崩され、別の何かが現れたような。

しかし、ここまでの文章をきちんと読解できた方であれば、これが、一瞬のまやかしであり、一時的な気の迷いであり、己の理想からくる蜃気楼のようなものであることは、お気づきかと思います。でも、それでいいのです。そうだと知りながら、「思っていたよりも」を繰り返していく。何か特別なものを得られたような刹那を、手をすり抜けていく透明な輝きを、成す術もなく見送り続ける。やがて、この虚しさを受け入れられたとき、あなたは「あの時、人生に哲学を取り入れようと踏み出した一歩は無駄ではなかった」を自らに示す証拠を掴むことになる・・・かもしれません。

   

それでは、どうぞ、明けるのが惜しい夜を。

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